日時:12月21日(土)13時30分~17時
場所:オンラインで開催。
https://forms.gle/M5HYxqXz18Qp781C8
にアクセスのうえ、12月17日までに参加申込をお願いいたします。12月20日頃までに当日開催用ZoomのIDをお知らせします。
シンポジウム
『AI翻訳とChatGPTを活用した英語教育』
コーディネーター成田一(大阪大学名誉教授)
安河内哲也(東進ハイスクール・東進ビジネススクール講師・(一財)実用英語推進機構代表理事)
「AIが問う英語教育の抜本的見直し:いくつかの問題提起」
山中司(立命館大学教授)
「英語学習を再定義する:効果を最大化するChatGPTとGeminiの活用事例」
中林くみこ((株)N.fam代表・IELTS公式運営機関IDP Educationセミナー講師)
「生成AIの正体をきちんと承知することなく安易に「活用」に走ってはならない」
大津由紀雄(慶應義塾大学名誉教授・関西大学客員教授)
講演概要
「文系人材のための具体的生成AI活用法」
AIという言葉を聞き、文系人材の中には、生成AIの活用をためらう人も多い。しかし、生成AIの中核は大規模言語モデルであり、自然言語でこれを操作するものである。生成AIは、むしろ文系人材にこそ、革命的利便性を与えるものであると言える。私自身、数学にもプログラミングにも精通していないが、Chat GPTを生活や仕事の一部として活用し、生産性と効率を劇的に高めている。今回は、その具体的方法について、現場からのレポートとしてお伝えしたい。
「AIが問う英語教育の抜本的見直し:いくつかの問題提起」
工学における人工知能研究者の究極的な目的の一つは、人工的に知能を作ってみることを通して、人間の知能を解明しようとするあくなき構成論的試みである。昨今の生成 AIの登場で人工知能は新たなステージに達し、私たちの知のあり方についていくつかの重要な問いかけをしている。これは外国語教育においても同じである。言語教育に携わる者は、メタ知識として文法を理解し、語彙のバラエティを増やすことで言語コミュニケーションができるようになると暗黙理に想定するが、果たしてこうしたあり方は正しかったのだろうか。本講演では、生成AIの振る舞いをいくつか紹介しながら、人の言語習得について改めて振り返る機会とし、議論の端緒としたい。
「英語学習を再定義する:効果を最大化するChatGPTとGeminiの活用事例」
最新のAIツールが英語学習の効果を向上させる実践的なアプローチを紹介。ChatGPTとGemini、それぞれの利点を活かした学習方法を探求し、単なるチャットのやり取りに留まらず、具体的な応用事例を通じて、学習の進め方を示します。今後の英語学習におけるAIの可能性について考察し、参加者が実践に役立てられる知見を得ることを目指します。
「生成AIの正体をきちんと承知することなく安易に「活用」に走ってはならない」
生成AIを英語教育に活用することがある種ブームのようになっているが、① 生成AIの内部構造は人間のこころ/脳と本質的に異なること、② 生成AIによる言語運用は人間の言語運用と本質的に異なることをきちんと承知しておくことが必要である。今回の講演では、そのことを前提にしたうえで、③
①・②にもかかわらず、生成AIは人間の言語運用の出力にかなりの程度、近似した出力を実現できるのはなぜかという問について考えたい。そして、④
英語教育・学習関係者が生成AIを「活用」しようとするとき、留意しなくてはいけない点を指摘する。併せて、⑤ 英語教育の目的について再考したい。