更新日:2006/09/01

第三回 英語教育総合研究会

日時 2006年9月30日(土)13:00-17:30
場所 大阪大学大学院言語文化研究科新棟大会議室(豊中キャンパス)

13:00-14:00特別講演
「世界の異言語教育の動向をどうみるか」
大谷泰照(大阪大名誉教授)
14:00-14:10情報提供(関連研究会・学会・会員報告&展示)
       休憩
14:20-16:00ワークショップ
「世界の英語教育の現状」
コーディネータ・司会・解説:成田一(大阪大)
発表:「欧州における英語教育」松浦京子(京都成安高校)
発表:「アジアにおける英語教育」相川真佐夫(京都外短大)
情報提供(大阪大院留学生:中国、韓国など)
コメンテータ:大谷泰照
    休憩
16:10-17:30教育実践報告
①「音声指導では何を教えるべきか—プロソディに焦点を当てて—」
   中井富紀(愛媛・松山大・非)
②「小学英語教育実践のビデオ報告」
      田縁真弓(立命館小)

参加費:300円  参加資格:なし、非会員参加自由。
会員資格:なし、JACET会員である必要はありません。
研究会費:無料。研究会への会員登録希望の方はお名前とご所属をメールで連絡ください。毎回(4−7月2回、9−1月2回)詳しい発表内容を配信します。
懇親会:17:45-19:30
(当日参加も可能ですが、参加希望の方はできれば事務局にメールください。)
場所:大阪大学大学院言語文化研究科旧棟大会議室
費用:教員−1300円 院生−1000円

問い合わせ:事務局 email: suzuki-k@tachibana-u.ac.jp
発表申し込み:大阪大学大学院 成田研究室 email: narita@lang.osaka-u.ac.jp

概要

特別講演「世界の異言語教育の動向をどうみるか」
大谷泰照(大阪大名誉教授)

講師プロフィール:大阪市立大学卒。桃山学院大学、関西大学、大阪大学、滋賀県立大学各教授を経て、現在は大阪大学名誉教授、滋賀県立大学名誉教授。大学 英語教育学会顧問、日本言語政策学会理事。言語教育政策専攻。編著:『世界25か国の外国語教育』(1999年、大修館書店)、『世界の外国語教育政策』  (2004年、東信堂)他。
概要:21世紀は、本当に 「英語の世紀」 なのか。文部科学省の旗振りで、国を挙げて 「英語が使える日本人」 の育成に血道をあげるこの異常なまでの英語一辺倒ぶりはどうか。そんな問題意識もないとすれば、今日の学校教育は、果たして本当に21世紀の教育の名に値 するのか。この基本的な問題を考えるために、われわれに欠くことのできないのは、おそらくわれわれがこれまで歩んできた足跡をあらためて見直す歴史的視点 と、あわせて、広く世界の動向を正確に見すえた国際的視点であると思われる。

ワークショップ「世界の英語教育の現状」

コーディネータ・司会・解説:成田一(大阪大)

発表:「欧州における英語教育」松浦京子(京都成安高校)

発表:「アジアにおける英語教育」相川真佐夫(京都外短大)

情報提供(大阪大院留学生:中国、韓国など)

コメンテータ:大谷泰照

概要:松浦氏は「欧州共通言語参照フレームワーク」Common European Framework of References for Languages(CEF:英語を中心に2外国語を学習させる言語政策)との関連で欧州における英語教育の現状を説明する。特に、フランスを中心にドイ ツなどにおける英語教育を取り上げる。相川氏は台湾を中心に中国、韓国などアジアにおける英語教育の現状を説明する。これを踏まえ、留学生が現地での教育 の洗礼を受けた経験といった観点から、地域の実情について報告する。成田氏はCEFを範として日本において適用可能な基準を作成して効果的な学習を行う可 能性に触れるとともに、アジアとの比較において日本の英語教育のあるべき姿を教員養成の問題も含め言及する。フロアも交えた討論においては、踏み込んだ質 疑応答を行いたい。

教育実践報告

①「音声指導では何を教えるべきか—プロソディに焦点を当てて—」
中井富紀(愛媛・松山大・非)
概要:「文法」があるのになぜ「音法」はないのか。「音声」はコミュニケーションにおける原点であり、その明示的指導は音声習得に有効である。自然な速度 での発話においては様々な音現象(抑揚、強勢、休止、同化、音連結など)によって音が変化するが、そうした音声の特徴を精選し日本人英語学習者に具体的に 何を指導するべきかを述べる。

②「小学英語教育実践のビデオ報告」
  田縁真弓(立命館小)
概要:小学校英語教育の現場指導者の立場から,早期英語教育の実践例を「literacyに繋げる音と文字の指導」を中心に紹介する。具体的には、①文字 導入前に多量のinputを確保するための活動、②小学生の認知レベルで意味のある発話を促す活動、③音と文字の関係への気づき、④文字指導から子供の自 立した読みが始まった様子などの例を紹介する。