更新日:2019/07/24

第17回 英語教育総合学会・NPO法人グラスルーツOBKの会共催

日時:8月2日(金)13:00-17:30
場所:関西学院大学 大阪梅田キャンパス K.G.ハブスクエア大阪 10F

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小学校教員のための英語セミナー

「早期英語教育のメリット」成田一(大阪大学)

「小学校低・中・高学年における英語短時間学習~音から文字へ~」泉惠美子(関西学院大学)

「DREAMを実践してみて」伊藤美幸(大阪経済法科大学)

「発音のエッセンス&メカニズム」成田一(大阪大学)

「日本語話者にふさわしい指導とは?〜音声/フォニックス/文法の“あるある”からの考察〜」今井淳子・池亀葉子(OBK)


参加費:500円、どなたでも参加可能。一般の方歓迎。直接会場にお越し下さい。
連絡/問い合わせ 事務局 orchid-e [AT] kcc.zaq.ne.jp (メール送信の際は [AT] を @ に変更してください)

セミナーの理念

2020年度からの小学校での英語教科化を前に、教員の間には不安も多い。セミナーでは、「英語が何故日本人にとって習得困難か」を言語差と疑問詞や関係詞の移動操作の脳内処理などから認識していただき、英語をどのように教えるかを早期英語教育に携わる講師陣が解説するとともに大阪府のDREAMの実践例についても報告する。本セミナーでは特に英語発音のエッセンスと激しく変容する調音メカニズムを明快に解説し、英語担当教員が発音についても自信を持って指導できるようになることを目標としている。

講演概要

「早期英語教育のメリット」:英語と日本語は世界の言語の中でも最も離れた言語グループに属し、文法、語彙、発音のあらゆる面で共通性がない。特に英語の「疑問/関係詞の超節移動」は脳内処理が至難だ。このため、日本人の英語習得は極めて難しいが、7歳頃までの言語獲得期に英語環境に晒されたらこの障壁が乗り越えられる。保育・幼稚園では週1以上の英語活動が70%超に達しており、大阪府のDREAMによって、これを小学校低学年からの英語教育に繋げたい。

「小学校低・中・高学年における英語短時間学習~音から文字へ~」:小学校では発達段階に応じて、自然で良質な英語に沢山出合わせ、歌やチャンツ、ストーリーや絵本などを用いて、楽しく英語の音やリズムに親しませる。その後、アルファベットから音韻認識、単語へと段階的に文字指導を進める。今回は、短時間学習における小学校英語の指導と評価について考えたい。

「DREAMを実践してみて」:令和二年度から小学校3・4年で外国語活動が必修化になり、5・6年で外国語が教科として本格実施になる。担任のみで四技能を指導でき、45分の授業にも短時間学習にも適した教材DVD「DREAM(大阪府以外はSWITCH ON!)」の取り組み事例と成果について報告する。

「発音のエッセンス&メカニズム」:英語は強勢のあるなしで音質が全く変わる。講義では、日本語と微妙に違う英語の音に焦点を当て、それぞれの音を特徴づける調音のエッセンスと音変容のメカニズムを口腔のMRIなども示し明快に解説する。小学校の先生方も自信を持って生徒の発音指導ができるようにしたい。

「日本語話者にふさわしい指導とは?〜音声/フォニックス/文法の“あるある”からの考察〜」:民間英語教室での長年の指導から見えてきた「あるある」を紹介。日本語話者がつまずきがちなポイントから、その分析と指導法を提案する。

1[音声/フォニックス指導あるある]とその考察
・先生あるある〜「フォニックスを教えても読めない子がいるのは仕方ない」
「音声は耳で覚えるものである」という思い込み
・生徒あるある〜 desku  dorink / thがつく単語の混同 
  知識を覚えても活用できない理由は、日英の言語差。

2[文法指導あるある]とその考察
・先生あるある〜「文法を説明するのは児童がかわいそう」
・生徒あるある〜I am like milk. He like jam. do he like jam?


『小学校教員の英語セミナー』開講の理由

本年度の大阪大学大学院言語文化研究科棟の改修に伴い、多様な分野の第一人者を講師とする講座を提供していた公開講座『教員のための英語リフレッシュ講座』が本年度は開講されないこととなりました。15年ほどにわたり成田が毎年担当していた「英語らしい発音の科学」は中高の教員を主な対象としてきました。令和2年度からの小学校英語教科化により英語を担当する教員に寄与するところが大きいと考えられるため、英語教育総合学会としては初めて『小学校教員の英語セミナー』を開講することとしました。成田が早期英語学習の視点から「英語はどういう言語か」を理解いただく講義(30分)と「発音のエッセンス&メカニズム」の講義(80分)を行います。今回のセミナーは児童英語講師の会との共催とし、今井・池亀講師が所属講師の経験を踏まえた講演(80分)を行います。小学校英語や小中連携に関わる著作や講演の豊富な泉教授が小学校各段階での教え方の講演(30分)を行い、伊藤先生が大阪府DREAMプロジェクトの実践経験の講演(25分)を行います。


更新日:2019/04/14

第16回 英語教育総合学会

日時:6月8日(土)11:00-15:20
場所:関西学院大学 大阪梅田キャンパス K.G.ハブスクエア大阪 10F

シンポジウム
4技能入試は英語教育をどう変えるか

コーディネーター&コメンテーター 成田一(大阪大学)

特別講演「どんな時に日本語での指導が必要になるか」白畑知彦(静岡大学)

「4技能入試に対応するための指導-行うべきでない指導と行うべき指導」鈴木寿一(桃山学院教育大学)

「高校教員が活かせる4技能入試の波及効果」溝畑保之(常翔学園中学校・高等学校)

「第二言語(英語)の流暢性(fluency)獲得の観点から:4技能入試への期待」門田修平(関西学院大学)

「資格試験対策-社会的需要および実用性を踏まえて」蔦田和美(関西外国語大学)

全体討論


参加費:500円、どなたでも参加可能。一般の方歓迎。直接会場にお越し下さい。
連絡/問い合わせ 事務局 orchid-e [AT] kcc.zaq.ne.jp (メール送信の際は [AT] を @ に変更してください)

シンポジウムの理念

大学入学共通テストでは、4技能を総合的に評価できる問題の出題(例えば記述式問題など)や民間の資格・検定試験の活用を行う。多くの高等学校においては対策指導が始まっている。シンポジウムにおいてはその現状と問題点を報告・検討するほか、運用の心理ならびに論理的な展開のメカニズムなども踏まえ、効果的な英語運用力の向上を提案したい。特別講演では、高度な内容や文法など英語だけではできない日本語による指導の効果について実証研究を報告する。

講演概要

白畑講師:授業での教師の発話を質的な面から2種類に分けてみる。1つ目は、話す中身が比較的簡単なもの。ここには挨拶や点呼、small talk、指示出しなどが含まれる。2つ目は、話す中身が比較的高度なもの。ここには新出単語や熟語の説明、教科書本文の内容や背景的説明、新出文法項目の説明などが含まれる。後者に焦点を当て日本語の使用について考えてみたい。

鈴木講師:4技能入試対策指導が多くの学校で始まっているが、不適切な指導が多いようだ。シンポジウムでは、①現在行われている対策指導の実態とその問題点、②4技能入試になっても、英語力向上に関して残る問題点を論じた後、①と②をふまえて、効果的に学習者の英語力を向上させるために高校が行うべき指導を提案する。

溝畑講師:21世紀を生きる若者に「主体的、対話的、深い学び」が求められている。ほぼ一技能で、MCQや翻訳型の入試対策に偏重する高校英語教育が改善される。アクティブ・ラーニングの肝である「外化」はスピーキングだ。それは多量で豊かなインプットに基づく、頻度と難易度において適切なアウトプット活動であるべきだ。 

門田講師:4技能入試に必要な流暢性について、①コミュニケーションにおける擬似多重処理、②心理言語学的能力、の2点から考察し、この②の能力をいかにして獲得するかについて、プライミング効果を担うプラクティスの重要性、さらに脳内に最終的に蓄積すべきフォーミュラの役割について考察したい。

蔦田講師:試験は評価手段であり、結果自体が目的になりがちだが、目標に向かう過程が及ぼす波及効果に意義を求めるべきである。各種資格試験においても、言語的理解力および運用力に加えて、意見の主張、議論、提案、交渉などの論理的展開能力が必須だ。これらの両面を備えた英語使用者の育成を視野に対策を考えたい。

更新日:2018/05/11

第15回 英語教育総合学会

日時:6月9日(土)13:00-17:20
場所:関西学院大学 大阪梅田キャンパス K.G.ハブスクエア大阪 10F

シンポジウム
小学校の英語教科化と中学の連携
-新教材 We Can! でどう教えるか-

コーディネーター&コメンテーター 成田一(大阪大学)

「新教材にみるこれからの小学校英語-何を、どんなふうに教えるか」田縁眞弓(京都ノートルダム学院小学校)

「小学校外国語新教材における語彙の取り扱いに関する調査」齋藤聖史(高知県四万十町立田野々小学校)

「これからの小・中接続した文字指導の在り方-バランスト・アプローチによる系統性のある読み書き指導を」畑江美佳(鳴門教育大学)

「小学校外国語科における文字と音の扱い-どのように、そして、どこまで」池田周(愛知県立大学)

「音声やことばへの気づき-We Canの指導ポイント」今井淳子(OBK児童英語講師自己研鑚の会)

「第二言語コミュニケーションの学習適性を測定する復唱 (シャドーイング)力」門田修平(関西学院大学)

全体討論


資料代 500円、どなたでも参加可能。一般の方歓迎。直接会場にお越し下さい。
懇親会(3000円±500円)にご参加の方は5月20日までに連絡ください。

連絡/問い合わせ 事務局 orchid-e [AT] kcc.zaq.ne.jp (メール送信の際は [AT] を @ に変更してください)

シンポジウムの理念と概要

2020年より小学校高学年では英語が教科化され、中学年では外国語活動が実施されるが、それまでの移行期には高学年で文科省の教材『We Can!』が、中学年で文科省の教材『Let’s Try』が使用される。シンポジウムでは、教材『We Can!』の特徴を分析すると共に、小学校におけるそれを使った効果的な指導法について検討し、中学校における英語教育にどのように連携していくべきかを考えたい。なお、全体討論では、高校における「英語で授業」の実情についても意見交換の予定がある。

田縁講師:移行期間に使用される文科省の高学年教材『We Can!』が、中学年教材の『Let’s Try!』とともに小学校現場に、この春届けられた。その内容に関して、文科省が挙げる8つのポイントに従い、その具体的な指導法を考える。また、4月から実際にその教材を小学校現場で使用している立場から、児童の取り組みの様子を報告する。

齋藤講師:移行期間中に使用される小学校外国語教育の新教材『Let’s try!1・2』『We can! 1・2』を対象に、語彙の使用頻度について調査を行った。本発表は、新教材において使用されている語彙の出現頻度の実態を紹介するとともに、調査結果から見えてくる傾向や特徴、語彙指導に関わる課題や留意点等について報告する。

畑江講師:新学習指導要領を受け、今後小学校高学年から、大文字・小文字の読み書き、音声と文字とを関連付け、推測しながら読んだり,語順を意識しながら語句や表現を書き写す、などの指導が行われる。本発表では、小学校でのこれらの指導法、そして、読み書きの指導を受けてきた児童を、中学校でどのように伸ばしていくべきかについて考える。

池田講師:本発表では、まず、新小学校学習指導要領およびその解説から、外国語科における「英語の文字に関連する学習内容」を読み取る。その上で、小中連携を踏まえながら、新教材『We Can! 1・2』を用いてどのような形で、どのような側面について、どの段階まで指導を行うべきかについて具体的に考察、提案する。

今井講師:単に、語や文の繰り返しや丸暗記を求めるような授業の進め方では、児童の不安を高めたり、浅い学びになってしまう。深い学びにするためには、「音声・ことばへの気づき」を大切にしたい。児童が主体的に深く学ぶために、「観察・比較・外部化・協働的な気づき」のプロセスを経て、母語である日本語と英語への理解を深めたい。

門田講師:言語適性は、生まれつき人が持つ言語学習能力で、外国語の習得に影響力を持つとされている。インプット音声の復唱力を鍛えるシャドーイングには、コミュニケーションの多重処理やそれを制御するメタ認知能力の促進効果が期待できる。適性テストとして今後小学校英語教育への導入の可能性を模索したい。