更新日:2015/07/20

第10回 英語教育総合学会

日時:8月23日(日)13:00-17:20
場所:関西学院大学 大阪梅田キャンパス K.G.ハブスクエア大阪(アプローズタワー14F)

シンポジウム
「運用力の自動化を目指そう!」

コーディネーター&司会「文法と発音の脳内処理と自動化のメカニズム」成田一(大阪大学)

特別講演「学習者の言語処理の自動化-英語総合力を伸ばす新しいシャドーイング指導-」山内豊(東京国際大学)

「日本人が苦手な音調とリズムの教え方」森庸子(同志社大学)

「外国語としての英語の文処理」中野陽子(関西学院大学)

「Global Citizenとしてのプレゼンテーションとライティング」蔦田和美(京都産業大学)

「音声・文法の気づきと自動化をめざす活動」吉田直美、池田満子、竹田里香、本城清美(Creative Debate for GRASS ROOTS)

全体討議「運用力の自動化を目指す学習方略」

参加費:500円
一般の方の参加歓迎。直接会場にお越し下さい。駐車場はありません。
問い合わせ:事務局 orchid-e [AT] kcc.zaq.ne.jp (メール送信の際は [AT] を @ に変更してください)

シンポジウムの理念

日本人にとって、英語を口頭運用することは非常に困難だが、母語にない文法操作もどうにか半自動化までは近づくことができる。そして発音は「調音と変容のメカニズム」を踏まえて訓練すれば自動化が夢ではない。本シンポジウムでは、英語運用力の自動化に向けての様々な取り組みを理論と実践の両面から紹介し討議する。

講演概要

成田:「文法の装置や操作が大きく違い発音の変容の激しい」英語は、言語獲得期以降は運用力の自動化は困難だが不可能な訳ではない。日本人に効果的な学習法について考えたい。

山内:即時的に応答できるコミュニケーション能力を伸ばすには言語処理の高速化・自動化が必要である。この自動化を促進する新しいシャドーイング指導法を提案・紹介する。

森:日本語と英語の音調とリズムは大きく異なるが、日本語の自然発話に見られる尻上がり調や英語母音の口の開閉を利用して、英語の音調やリズムを身に付ける方法を提案する。

中野:英語の長距離フィラー・ギャップ構文と関係節付加曖昧構文の処理について母語話者と日本人英語学習者を被験者にして調べた結果に基づいて自動化の可能性を検討する。

蔦田:日本人英語学習者にとって運用の自動化に必須である文法力を基盤に発信としてのプレゼンテーション、ライティングスキル向上に向けての取り組みと成果を報告する。

吉田他:小学校外国語活動において音声や文法のわくわく感を引き起こさせる「気づき」と「くり返し練習」により自動化を目指す活動を、自治体への支援実例を基に紹介する。

関連情報

大阪大学公開講座「教員のための英語リフレッシュ講座」(詳細はPDFならびに言語文化研究科HP参照)は(先着順ですが)7月27日頃までは申し込み可能です。

お問い合わせ:言語文化研究科・外国語学部豊中事務室総務係
E-Mail: genbun-soumu [AT] office.osaka-u.ac.jp (メール送信の際は [AT] を @ に変更してください)

会長 成田一(大阪大学名誉教授)

更新日:2014/12/05

第9回 英語教育総合学会

日時:1月11日(日)13:00-17:15
場所:関西学院大学 大阪梅田キャンパス
  K.G.ハブスクエア大阪(アプローズタワー10階)

シンポジウム
統合的リーディングで育む総合英語力

「学生はリーディングが好き」(調査報告)磯部理一郎(大阪市立大学)

「視覚と聴覚を動員するリーディング:読解も音読も構造解析がコア」成田一(大阪大学)

「音読を核にした4技能を伸ばすラウンド制指導法とその効果」鈴木寿一(京都外国語大学)

「リスニング能力開発も狙ったリーディング授業の取り組み」植松茂男(京都産業大学)

「シャドーイングで伸ばすReading Fluency」門田修平(関西学院大学)

「文法とリーディングで伸ばすライティング力」蔦田和美(京都産業大学)

「ESPリーディングで伸ばす運用力」川越栄子(神戸女学院大学)

全体討議『総合的な運用力を目指すリーディングの方略』

参加費:500円
一般の方の参加歓迎。直接会場にお越し下さい。駐車場はありません。
問い合わせ:事務局 orchid-e [AT] kcc.zaq.ne.jp (メール送信の際は [AT] を @ に変更してください)

シンポジウムの理念

「コミュニケーション英語」が20余年経過後も、目標とする成果を上げるどころか英語力の全般的な低下を招いているのに、文科省は高校で「英語で授業」を強制し、その実態の検証もないまま2020年には中学でも「英語で授業」を実施する方針を公表した。英語が壁となり生徒が授業内容を理解できず学習意欲が削れる事態がもたらされるなど、無責任な英語教育行政によって、現場の英語教育が歪められている。本シンポジウムでは、高度な読解力を育んできた伝統的な(文法訳読式)教育の効果を再検討するとともに、リーディングを中心に4技能を統合的に育成する実践方略を踏まえて、「日本人に相応しい英語教育」について考えたい。

講演概要

成田講師:母語の応用の効かない外国語の教育では、文法をしっかり教え読解における構造解析で鍛え音読させる。その基盤から過去の書籍読解を含む「時空を超えるコミュニケーション力」が育つ。

鈴木講師:狭義の第二言語としてではなく、外国語として英語を学ぶ日本人学習者のために開発され、実践を通して改良されてきたラウンド制指導法の流れとその効果について概説する。

植松講師:リーディング授業にシャドーイングを導入し、英語リスニング力をつける試みを紹介する。テキストの難度を変えて比較し、教授言語についても相応しいものを調べる。

門田講師:読解では文字言語の音韻符号化を経て、音韻ループを活用した処理が必須だ。シャドーイング訓練が、いかに音韻ループ内の処理を促進し、読解力を向上させるか検討する。

蔦田講師:オーセンティック素材による文法力向上の実践方法、リーディング力との相関関係、およびライティング力への効果の要因別分析結果を、学生の姿勢の変化とともに紹介する。

川越講師:学生は、将来進む専門分野の内容の英文を読むことで、その分野への興味が深まり、英語学習のモチベーションが高くなり、英語総合力を伸ばすことができることを実例で示したい。