更新日:2026/08/11

第25回 英語教育総合学会

日時:2026829(土曜日)1330分から1700

場所:オンライン開催

シンポジウム『AI活用時代の土台となる英語教育の多面的評価』

コーディネーター&コメンテーター:成田一(大阪大学)

特別講演「『小学校英語評価入門』-科研12年間のまとめと成果」泉惠美子(関西学院大学)

1340分~1430分)

「外国語の「見方・考え方」を反映したCan-Do評価―CEFRの理念や仲介能力から得られる示唆」長沼君主(青山学院大学)

1430分~1510分)

CEFRの理念と発達認知の観点からみたリタラシーの指導と評価ー小・中の接続から」アレン玉井光江(青山学院大学)

1510分~1550分)

小学校外国語教育におけるICTAI翻訳・生成AI含む)活用の可能性成田潤也厚木市立鳶尾小学校)

15551630分)

パネル討論:全体討論

1630分~1700分)

 

参加費:無料、参加申し込み期限825日:学会HP参照。

問い合わせ先:事務局orchid-e@kcc.zag.ne.jp

https://forms.gle/vw9Yh87MEX19WAfZA

にアクセスのうえ、825日までに参加申込をお願いいたします。827日までに当日開催用ZoomIDをお知らせします。


シンポジウム『AI活用時代の土台となる英語教育の多面的評価』要旨

特別講演「『小学校英語評価入門』-15年間の研究のまとめと成果」泉惠美子

 

2020年度、小学校高学年で外国語科が教科化され、中学年でも外国語活動が必修化された。以降、検定教科書の改訂、デジタル教科書の導入、一人一台端末の整備など、英語教育は大きな変革期を迎え、指導と評価の一体化が一層求められている。

こうした中、小学校英語評価研究会(EASEL)は、小学校英語教育学会の課題研究およびJSPS科研費(基盤研究B)による15年間の研究・実践の集大成の一つとして、7月に『小学校英語評価入門』(大修館書店)を刊行した。

本講演では、英語教育が大きく変化する中で、小学校英語の学習評価がどのように変遷し、現在何が求められているのかを、Can-Do、パフォーマンス評価、eポートフォリオ等を通して概説する。さらに、児童の有能感、自己効力感、自己調整能力、言語能力と情報活用能力の育成につながる具体的な実践を紹介する。本書が、小中連携を含む今後の英語教育における指導と評価の充実に寄与することを願っている。

 

CEFRの理念と発達認知の観点からみたリタラシーの指導と評価―小・中の接続から」アレン玉井光江


小学校英語と中学校英語の接続を考える際、「読むこと」「書くこと」の指導と評価は重要な課題となる。本講演では、小・中学校の学習指導要領と、それらが参照するCEFRCommon European Framework of Reference)に示された「読むこと」「書くこと」の目標を確認するとともに、発達理論からみた両技能の習得過程を概観する。その比較を通して、現場で求められる指導と評価の在り方を考察し、当研究会で開発を進めている「読むこと」「書くこと」のCan-Do尺度評価を紹介する。「~ができる」という行動中心の評価が主流となる中、初期段階では知識・技能の指導と評価も不可欠である。さらに、児童・生徒は自らの能力を適切に評価できるのかについて、実証研究を紹介しながら検討する。

 

「外国語の「見方・考え方」を反映したCan-Do評価―CEFRの理念や仲介能力から得られる示唆」長沼君主

 

次期学習指導要領に向けた議論の中で、AI時代における外国語教育の意義を踏まえた「見方・考え方」は、指導や学習、評価の指針としてさらに重要性を増している。本講演では、3つの資質・能力を1つに束ねた能力記述として、Can-Do形式で学習到達目標を設定する上で、いかに「見方・考え方」を反映し、「本質的な問い」から逆向きにカリキュラムや評価を設計するかを考える。その際に、Can-Do評価を考える上で大元となるCEFRにおける行動指向主義や社会的行為者、複言語複文化主義などの理念と、現行の学習指導要領やその改訂で目指す方向性を整理し、CEFR/CVで導入された仲介能力のCan-Do尺度についても触れながら、今後の外国語教育を考える上で得られる示唆について議論する。

 

「小学校外国語教育におけるICTAI翻訳・生成AI含む)活用の可能性」成田潤也

 

 生成AI等の技術進化は、外国語教育に対し「なぜ学ぶのか」という根本的な問いを突きつけている。本講演では、AI翻訳やバイブコーディングを活用した自作アプリの活用に焦点を当てた授業実践を紹介する。これらは学習者が抱える言語的・心理的な表現障壁を低減し、学習体験をより充実させる鍵となり得る。テクノロジーを単なる効率化の手段ではなく、対面での人間同士の対話を豊かにしたり、自立的な学習を下支えしたりするツールとして捉え直すことで、教室の学びはどう変容するのか。AIが高度な言語生成を代替し得る現代において、外国語教育が持つ「不変の価値」とICTはいかに共存可能なのか。AI時代に外国語教育が向き合うべき課題に対し、現場の視座から議論の種を提示したい。